義父の介護の手伝いのために、妻の実家がある石川県加賀市へ数日間行ってきました。
帰りの北陸新幹線の車窓から見た夕日が、妙に胸に沁みました。
妻の実家は加賀温泉駅からすぐのところ。
この駅は、昨年の3月に北陸新幹線の駅としてようやく開業しました。
加賀温泉駅から長野駅までは、乗り換えなしで約1時間50分。
便利な時代になったものです。
思えば、妻が長野へ嫁いできたのはもう35年前。
当時は、ローカル線で直江津まで行き、そこから特急に乗り換えて……と、
今では考えられないほどの長旅でした。
妻の両親にとっては、「早く新幹線が通ってくれれば、もっと楽に会いに行けるのに」と、まさに長年の願いでもあったわけです。
しかし、ようやく念願の新幹線が開通した今、義父は95歳。
トイレに行くのもやっとという状態で、
「新幹線で長野に行ってみたい」という夢は、残念ながらもう叶わなくなってしまいました。
時の流れというのは、本当に早いものですね。
夕日に照らされた車窓の風景をぼんやり眺めながら、
35年分の記憶が行ったり来たりして、少し感傷的になりました。