信濃町の北国街道、柏原宿の中村家住宅・村の鍛冶屋です。
江戸時代末期から明治初年の建物と言われる茅葺き屋根の古民家に
鍛冶場が残されています。
普段は、内部を公開していなのですが、8月14日と15日の10時~15時に限り
一般公開をしていたので運良く、見ることが出来ました。
平成5年に中村与平さんが亡くなられるまで野鍛冶(農業用の刃物鍛冶)
が行われていたそうです。
昔ながらの製法にこだわり、松炭を使いフイゴで火を起こし、動力を使わず
妻のフデさんの向う槌で鉄を打ちました。
(その槌は男性が持ってもズシリと重く、灼熱の中、その重い槌を打ち続けるのは
大変なことだと容易に想像できます。)
お二人の様子は、ビデオに残され、鍛冶場から続いている
二間続きの和室でお茶を頂きながらしばし拝見することが出来ました。
晩年の中村与平さんは、インタビューに答え、
「ほかの商売はわからんが、鍛冶屋は一人じゃあ出来ないんだよ。」
相方である奥さんがいたからこそやってこれたいうことですね。
「苦労して、苦労してきたけれど、今が一番幸せ。」
と妻のフデさんはそれに答えていました。
うちも夫婦二人の小さな会社。
相方(妻)や家族に心配や苦労をかける時もあるけれど・・・
いつか「今が一番幸せ」と言ってもらえる時が来たらいいなと思いました。